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【紹介×感想】英国で最も有名な囚人を描く『ブロンソン』

ブロンソン [DVD]

こんにちは、ノリスケです。

 

今回は、イギリスで最も有名な囚人と言われているチャールズ・ブロンソン(本名:マイケル・ピーターソン)の凄まじい生き様を描いた映画『ブロンソンを紹介します。

 

 

監督は『ドライヴ』で一躍有名になったデンマークの鬼才ニコラス・ウィンディング・レフンです。主演は、『ダークナイト ライジング』、『マッドマックス 怒りのデスロード』で知られるトム・ハーディ

 

日本では、劇場未公開の作品でしたが、レフン監督の『ドライヴ』のヒットにより、2012年にDVDが発売されました。

 

圧倒的に日本人に知られていない映画になりますので、本作を観ようとする方のほとんどは、まず間違いなくレフン監督またはトム・ハーディのファンでしょう

(かく言う私も、『ドライヴ』からレフン監督を知った口ですので。)

 

レフン監督作、トム・ハーディ主演作が気になっている人にとって、本作は見るべき作品なのか?というところに着目していきたいと思います。

 

 ※ページ下部の感想にネタバレがあるので注意してください。

 

基本情報

製作年:2008年
上映時間:92分
ジャンル:サスペンス、ドラマ
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
キャスト:トム・ハーディ、ジェームズ・ランス、マット・キング、アマンダ・バートン、リング・アンドリューズ


概要

「ドライヴ」の鬼才ニコラス・ウィンディング・レフンが2008年に手がけた異色のクライムドラマ。「ダークナイト ライジング」「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のトム・ハーディを主演に迎え、イギリスで最も有名な犯罪者といわれるマイケル・ピーターソンの半生を、ブラックユーモアを散りばめながら独自のタッチで描いた。1974年、19歳のマイケルは有名になるため、自作した散弾銃で郵便局を襲撃する。すぐに逮捕されたマイケルは7年間の服役を言い渡されるが、刑務所でも理由なき暴力を繰り返し、26年後にようやく出所を許される。かつての刑務所仲間の紹介で地下ボクシングの世界に飛び込んだマイケルは、「チャールズ・ブロンソン」のリングネームで活動を開始するが……。

映画.comより

 

予告編


映画『ブロンソン』予告編

 

ノリスケの評価

100点満点中 70点

全体:★★★★☆

脚本:★★★☆☆

映像技術:★★★★☆

音楽:★★★★☆

演出:★★★★★

編集:★★★★☆

何度も見たいと思うか:思わない

 

一言で言うとどんな映画なの?

本作は、イギリスで最も有名な囚人チャールズ・ブロンソン(本名:マイケル・ピーターソン)の半生を描いた伝記映画です。

 

サスペンス映画、犯罪映画の要素は少なく、ひたすらに語り役兼主人公であるブロンソンの暴力にあふれた人生を描いています。

 

どういう人にオススメか?

初めに書いたように、本作を手に取る方のほとんどは、レフン監督作品に興味を持っている方、またはトム・ハーディのファンの方だと思います。

 

知名度が恐ろしく低い映画なので、「ニコラス・ウィンディング・レフン」または「トム・ハーディ」のWikipediaからその存在を知る方がほとんどでしょう。

 

そのような方々にとって、本作は見るべき映画なのか?と問うならば、間違いなく見るべき映画であると思います。

 

逆に言えば、レフン監督、トム・ハーディに興味がない方に対しては、あまりお勧めできる映画ではありません。

 

どんなところが高評価?

レフン監督ワールド全開

レフン監督作品を一度でも見たことがある方ならば、その独特の画面の美しさを既にご存知のものと思います。

本作にも、如何にもレフン監督らしい色使いや演出が多数見られます

 

また、凄惨な暴力描写が多用されている点も、レフン作品の特徴の一つであると言えるでしょう。 

 

トム・ハーディの怪演

主役であるブロンソンを演じるトム・ハーディの演技が凄まじ過ぎます。

 

ブロンソンは、有名になりたいが方法がわからなかった故に犯罪を犯し、刑務所に収監されます。そして、彼は刑務所で理由なき暴力を繰り返し、刑務官と血で血を洗う争いを繰り広げます。

 

トム・ハーディブロンソンの持つ常軌を逸した人間性を巧みに演じており、まさに「怪演」という言葉に相応しい素晴らしい演技を見せてくれます

 

彼は、このブロンソンの演技によって、『ダークナイト ライジング』のベイン役を獲得したという説がありますが、ブロンソンに比べると、ベインは実に分かりやすく、可愛い悪党のように思えます。

 

それほどまでに、ブロンソンのキャラクターは強烈で、単なる悪役とは言い切れない怪しい魅力を持っています

 

 

さて、ここからは、ネタバレ有の本編の感想になりますので、未視聴の方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

 

一度見た後の感想は、レフン監督の『オンリーゴッド』と同じく、「なんだかよくわからない映画だな」というものでした。

 

ストーリーに盛り上がりがない

伝記映画なので仕方がないのかもしれませんが、本作にはストーリー上の盛り上がりがありません。ブロンソンが地下ボクシングの活動を開始するところが一応のピークなのかもしれませんが、刑務所内の凄惨な暴力の数々がそれ以上に印象深いため、ストーリーに起伏がありません。

 

サスペンス要素も少なかったため、中盤は少し退屈に感じてしまいました。

 

ブロンソンの一人語り形式

常軌を逸した人間であるブロンソンの物語であるため、感情移入は困難を極めます。そこを補うように、本作はブロンソンの一人語りの形式でストーリーが展開していきます。

 

面白いのは、劇場形式で、ブロンソンが観客に対して自分の半生を語るという演出を取っているところです。この演出は後半になるにつれて少なくなってしまいました。できれば全編通して盛り込んでほしかったです。

 

あまりにも常軌を逸した行動をとっているブロンソンですが、自らが自己の内面を語っていくことにより、視聴者は彼の内面を少なからず知ることができるだと思います。

(それでも、彼の行動には理解不能の点が多いですが)

 

まとめ

実にレフン監督らしい作品であり、娯楽要素は皆無であるように感じました。「面白い」というタイプの映画ではありませんが、レフン監督のファンまたはトム・ハーディのファンは間違いなく見る価値のある映画だと思います。

 

 

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