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【紹介×感想】ノワール風学園サスペンス『BRICK』

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ライアン・ジョンソン監督、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット主演のサスペンス映画『BRICK』。今回は、本作の紹介と感想の記事になります。

 

本作は、ライアン・ジョンソン監督にとって初の長編映画だったのですが、サンダンス映画祭を始め、非常に多くの映画賞にノミネートされました

 

ライアン・ジョンソン監督と言えば、スター・ウォーズシリーズのエピソード8『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』の監督に抜擢されたことでも有名です。

まさに、これからの活躍が期待される映画監督の1人と言えるでしょう。

 

今回は、彼の原点とも言える『BRICK』について書いていきたいと思います。

※ページ下部の感想にネタバレがあるので注意してください。

 

基本情報

公開年:2005年(米)
上映時間:110分
ジャンル:ミステリー
監督:ライアン・ジョンソン
脚本:ライアン・ジョンソン

音楽: ネイサン・ジョンソン
キャスト:ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、ノラ・ゼヘットナー、ルーカス・ハース、ノア・フレイス、マット・オリアリー、エミリー・デ・レイビン、ノア・セガン、他


概要

カリフォルニアの高校を舞台に、元恋人の謎の死の真相を探る青年の姿をスリリングに描いたミステリー。サンクレメンテ高校に通うブレンダンは、学校の排水溝の近くで元恋人エミリーの遺体を発見する。事件前、エミリーの不可解な行動を不審に思っていた彼は、真相を突き止めようと調査を始めるが……。1930年代アメリカの探偵小説のスタイルを引用した斬新な語り口が注目を浴び、サンダンス映画祭で審査員特別賞を受賞した。

(映画.comより)

 

予告編


Brick - Trailer

 

ノリスケの評価

全体:★★★★☆

脚本:★★★★☆

映像技術:★★★★☆

音楽:★★☆☆☆

演出:★★★★☆

編集:★★★★☆

 

一言で言うとどんな映画なの?

本作は、「恋人の死の真相を暴こうとする主人公の姿を描いた映画」になります。

 

主人公を探偵役に据えたミステリーと言えますが、ノワール映画のような「暗くて静かな映像」と、「展開の速さ」が特徴的です。

 

どういう人にオススメか?

シリアスなミステリーが好きな方、ノワール映画が好きな方にオススメできる映画です。

 

ノワール映画的な暗い展開が続くため、恋人同士、友達同士でワイワイ見る映画ではないですね。

夜な夜な一人で見ることをお勧めします。

 

どんなところが高評価?

ノワール映画的な独特の世界観

 

本作の最も大きな特徴は、ノワール映画のように「暗くて陰鬱な世界観」で統一されていることです。

 

例えば、主人公であるブレンダンはアメリカの田舎の高校に通っているのですが、学校そのもの雰囲気がとても暗く、生徒がワイワイ勉学に励んでいるような学校のイメージとはおよそかけ離れたものとして描かれています。

 

まず、授業のシーンがありませんし、生徒が遊んでいるシーンもあまりありません。

一般生徒が登場するシーンも少なく、学校自体に人気(ひとけ)がありません。

 

その他、ごく一部の街のシーンなどにも主要登場人物以外の人々が現れることはありません。

 

このような陰鬱な世界観が、孤独な主人公とマッチし、ストーリーをより一層魅力的なものにしていると思います。

 

スリリングでスピーディーな展開

本作では、探偵役であるブレンダンが、恋人の残した複数のキーワードをもとに、彼女の死の真相を探っていきます。

 

彼は、自分の身を餌をしたり、わざと相手を泳がせたり、薬の売人に近づいたり、様々な方法でエミリーの死に関与した人々に接触していきます。

 

これらが非常にスピーディーかつスリリングに展開していくため、視聴側は全く飽きることなく、物語に入り込んでしまいます。むしろ、少しでもぼーっとしていると、大事なセリフを聞き逃してしまいますので、一時たりとも気を緩めるべきではないでしょう。

 

一人でじっくり、主人公の目線でアレコレと考えながら視聴する。本作はそのように見たほうが面白い映画だと思います。

 

 

 

 

さて、ここからは、ネタバレ有の本編の感想になりますので、未視聴の方はご注意ください。

 

感想

 

ノワール世界に現れるシリアスな笑い

紹介部分で書いたように、本作は高校生たちの会話をノワール映画的に描写しています。物語もシリアス一辺倒なのですが、時折、笑い要素が含まれていたように思います。

 

例えば、以下のようなシーンと要素が挙げられます。

 

・薬の売人ピンの部屋の前に用心棒(?)と思われる男たちが何人も立っている。

・ピンは母親と一緒に暮らしており、母親がみんなにジュースを出してくれる。

・ピンの側近であるタグは、見るからに頭が悪くキレ易そうである。

・車の窓ガラスと割ろうとするブレンダンに向かって、タグが走ってくるシーン。

 

全編がシリアスであればあるほど、これらのシーンが滑稽に見えるように思いました。

 

登場人物の名前が覚えられない

本作では、エミリーの残した「ピン」、「ブリック」、「タグ」という言葉を元に、主人公のブレンダンが薬の売買グループに接近していきます。

 

「ピン」と「タグ」という言葉や、登場人物である「ローラ」、「カーラ」の名前が似ていることから、どれが誰の名前なのかがわからなくなってしまいました。

 

「ピン」と「タグ」は登場シーンが多いので何とかなりましたが、「ローラ」と「カーラ」は本当に混乱しました。途中でメモを取りながら見るべきだったかもしれません。

 

せめて、もう少し違いのある名前にしてもらいたかったですね。

 

まとめ

本作は、ノワール映画的な世界観と主人公の孤独感がマッチしていて、低予算でありながらも非常に見ごたえのあるミステリーに仕上がっていると感じました。

 

ライアン・ジョンソン監督の作品は、『ルーパー』しか見たことがなかったのですが、『BRICK』によって私の中で彼の評価が覆りましたね。

 

ただ、サスペンス色の強い作品ばかりを手掛けている彼が、スター・ウォーズをどのように仕上がげるのかが少し不安でもあります。

 

彼の今後の活躍に期待して、機会があれば『ルーパー』を見直してみたいと思います。

 

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