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【感想】古き良きオムニバスホラー映画「クリープショー」

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ホラー小説の巨匠スティーブン・キング脚本のホラー映画「クリープショーゾンビ映画の第一人者である、ジョージ・A・ロメロが監督を務めたことでも有名です。全5話からなるオムニバス形式のホラー映画で、日本でいうところの「世にも奇妙な物語」のような映画、と言えばわかりやすいでしょうか。ではでは、つらつらと感想を書いてゆきますよ。

 

作品概要

公開年:1982年(米)
上映時間:120分
ジャンル:ホラー
監督:ジョージ・A・ロメロ
脚本:スティーブン・キング
音楽:ジョン・ハリソン
キャスト:ジョー・ヒルヴィヴェカ・リンドフォースエド・ハリススティーブン・キングレスリー・ニールセンハル・ホルブルック、etc

 

 

評価

全体:★★★★☆

脚本:★★★★★

映像技術:★★★★☆

音楽:★★★☆☆

演出:★★★★☆

編集:★★★☆☆

 

各ストーリーのあらすじと感想

第1話『父の日』

父の日に会する親戚一同。彼らは、横暴な家長だった父親を殺害した叔母の到着を待っているのだが、夜になっても彼女はなかなか現れない。彼女は親戚達の元へ向かう前に父親の墓を訪れていたのだが…。

【感想】

死者が蘇り、生者を襲うというホラーの定番ものですが、蘇った死者(父親)よりも、親戚一同が放つただならぬ雰囲気が特徴的だと思いました。彼らは、父親を殺した叔母を尊敬しているわけですから、一般家庭とは少し感覚が違うのです。普通の家庭とは異なる怪しげな雰囲気がこちらをどんどん不安にさせるので、この人たちって人間じゃないのか?と本気で疑ってました。

 

第2話『ジョディ・ベリルの孤独な死』

農夫ジョディ・ベリルの家先に隕石が落下した。彼は隕石が金になると思い、さっそく隕石を回収しようとするが、誤って手を火傷してしまう。やがて、傷口から苔のようなものが生えてくるのだが…。

【感想】

若すぎて全く分からなかったのですが、ジョディ・ベリルを演じていたのってスティーブン・キングだったんですね。恥ずかしながら、エンドロールで気が付きました、ハイ。この当時で30代前半というから驚きです。

苔のようなものは、やがてジョディ・ベリルの全身に広がりますが、彼はすぐに死ぬことはありません。しかし、苔はやがて彼の家以外にもその範囲を広げていきます。「いったいどこまで広がるんだ?」とゾッとさせられました。

 

第3話『押し寄せる波』

ハリー・ウェントワースは、彼の恋人ベッキーの元夫リチャードから脅され、二人で砂浜へと向かう。徐々に潮が満ちる中、ハリーは首から下を砂浜に埋められてしまうのだが…。

 

【感想】

こちらも死者が生者に復讐するという話ですが、前半では生者による拷問を描き、後半では死者に恐怖する生者を描いています。『ゾンビ』の監督であるジョージ・A・ロメロが監督しているだけあって、死者の造形は本当に素晴らしいです。悪く言えば実にB級っぽいのですが、なぜかかなりグッとくるんですよね。

 

第4話『箱』

大学の学校用務員が偶然見つけた古い木箱。大学教授のデックスが箱を調べると、中身は猿のような「生物」だった。用務員が「生物」に襲われ、デックスはパニックに陥るが…。

【感想】

どうして大学の構内に化け物がいるのかとか、何故箱の中に入っていたのかとか、そういう背景はどうでもよいのです。そんなことよりも、日常が突如として崩れ去るという展開が私は大好きです(笑)。箱の中から人食いの化け物が出てくるなんて、登場人物は絶対に想像できないですよね。意図せず日常が破壊され、後戻りのできない状況に立たされるという恐怖、こういう恐怖こそ、映画の形で疑似体験すべきだと思います。

 

第5話『奴らは群がり寄ってくる』

短気で傲慢な会社社長のアプソン・プラット。潔癖症で大のゴキブリ嫌いである彼の日課は自宅でのゴキブリ駆除だが、殺しても殺してもゴキブリは次から次へと湧いてくる。ついに、無数のゴキブリが彼の自宅に出現するのだが…。

【感想】

巨大化したゴキブリと戦う『ミミック』っていう映画があって、ゴキブリ嫌いを克服したいという人にお勧めしていました。しかし、このストーリーは『ミミック』とは一線を画すほど、大量のゴキブリが出現します。この時代ですから、間違いなく実写ですよね。。。一体どうやって撮影したんだッッていうはなしですよ。ゴキブリ嫌いのあなた、まずはこの話を見てみてください。そうすれば、ゴキブリの一匹ごときに恐怖することはなくなります。

 

まとめ

あなたの周りには、ホラー映画なんてくだらない、と思っている人はいませんか?

この『クリープショー』はただひたすらに、見る者を怖がらせる話を詰め込んだ映画です。裏を返せば、「恐怖」を伝えることのみに重点を置いており、それ以外にメッセージ性はありません。人によっては、そんな映画くだらない、と感じる方もいらっしゃるかもしれません。でも、「人を怖がらせる映画」がそんなに悪いものでしょうか。

本作には、クリープショーマンガ雑誌)をくだらないものと評し、息子から取り上げてしまう父親が登場します。しかし、映画のラストで、その父親は息子に呪い殺されてしまいます。

あくまで個人的な考えに過ぎませんが、ホラー映画に否定的な人々への批判のようにも読み取れる印象的なラストでした。

 

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 まさか、『箱』に出てくる化け物のマスクが商品化されているとは(笑)