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【紹介×感想】新感覚のSFスリラー『セブン・シスターズ』

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こんにちは、ノリスケです。

 

今回紹介する映画は、ノオミ・ラパス主演のSFスリラー『セブン・シスターズ』です

ノオミ・ラパス七つ子の姉妹を演じる(1人7役)ことが話題になりました。

 

それぞれが違った個性を持っていながらも、家の外では一人の人間を演じている7人姉妹。しかし、ある日姉妹の一人が行方不明になり、姉妹の日常が壊れ始めます。

 

 

設定から面白そうな匂いがぷんぷんする映画なのですが、果たしてその実力はいかほどなのでしょうか。

 

 

 ※ページ下部の感想にネタバレがあるので注意してください。

 

基本情報

製作年:2016年
上映時間:123分
ジャンル:サスペンス
監督:トミー・ウィルコラ
キャスト:ノオミ・ラパスグレン・クローズウィレム・デフォー、マーワン・ケンザリ、クリスティアン・ルーベク、ポール・スベーレ・ハーゲン


概要

「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」「プロメテウス」のノオミ・ラパスが、7つ子の姉妹を1人7役で演じたSFスリラー。2073年、繰り返される戦争や難民問題で主要国は滅び、「ヨーロッパ連邦」が新たな超大国として君臨していた。人口過多と食糧不足から政府は厳格な一人っ子政策を発令し、2人目以降の子どもは親元から引きはがされ冷凍保存されてしまう。そんな世界で偶然生まれた7つ子は、週に1日ずつ外出し、共通の人格を演じることで監視の目をくらませてきたが、ある日、7人のうちの1人、マンデー(月曜日)が帰宅しなかったことから、姉妹の日常が次第に狂い始めていく。優等生、ヒッピー、反逆者、天才エンジニア、パーティガールなどバラバラな個性をもちあわせながらも、家の外では1人の銀行員を演じている7人姉妹を、ラパスが1人7役で体現した。「処刑山 デッド卍スノウ」で注目され、「ヘンゼル&グレーテル」でハリウッドデビューを果たしたノルウェー出身のトニー・ウィルコラ監督がメガホンをとった。

(映画.comより)

 

予告編


SFスリラー 映画『セブン・シスターズ』予告編

 

ノリスケの評価

100点満点中 85

全体:★★★★☆

脚本:★★★★☆

映像技術:★★★☆☆

音楽:★★★★☆

演出:★★★★☆

編集:★★★★☆

 

一言で言うとどんな映画なの?

 

人口増加が進んだ近未来。一人っ子が義務化された社会の中、七つ子であることを隠し、一人の女性「カレン・セットマン」を演じて生きている姉妹が主人公の映画です。

 

彼らの名前は月~日の曜日であり、自分の名前の曜日の日だけ、外に出ることができます。

また、それぞれが一人の人物(カレン)を演じるため、外出中に起こった出来事(仕事を含め)を全て7人が共有しています。現代よりも技術が進んでおり、7人は夕飯時に1日のカレンの主観的映像を観ながら情報を共有しています。

 

Mondayが月曜日に行った仕事内容を全員が確認し、Tuesdayが火曜日にその続きを行う、というように、毎日仕事の引継ぎを行っているような感じですね。

 

また、7人はそれぞれ長所・短所があり、様々な個性があります。

例えば、Wednesdayは格闘好きで筋トレばかりしているのですが、Fridayはオタク家のあるプログラマーといった感じで、理数系を得意としています。

 

様々な個性をもつ7人が1人の女性を演じることは大変なことでもあるのですが、その一方で1人(7人)が様々な能力を有しているため、カレン・セットマンは銀行員として出世していきます。

 

しかし、姉妹の一人であるMondayが突如行方不明になってしまったことにより、彼女たちの日常は崩壊していくのです。

 

どういう人にオススメか?

 

本作は、ある特定の設定を扱ったSF映画の一つと言えます。 

 

例えば、アンドリュー・ニコル監督のガタカ』、『タイム』 などに近い種類の映画であると言えるでしょう。

 

上記のようなSF映画が好きな方にはもちろん、上質なサスペンス映画を好む方におススメできる作品です。

ガタカ』ほどではありませんが、絶対に見て損はないSF作品になっているので、まだ見たことがない方は、是非一度見てみてください!

 

 

 

さて、ここからは、ネタバレ有の本編の感想になりますので、未視聴の方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

この手のSF映画は、設定が面白くても肝心のストーリーがスカスカだったりするのですが、本作は脚本が良かったと思います。

 

7人姉妹という設定を上手く活かしている

本作は7人姉妹全てが主人公という設定を生かし、「主人公は最後まで死なない」という映画のお約束を壊すことに成功しています。

 

ネタバレをしますが、本作では主人公の7人姉妹が次々と脱落していきます。

 

まず、主人公の一人であるMondayが行方不明になるのですが、あくる日、今度はTuesdayが児童分配局にあっさりと捕まってしまいます。そして、ついに児童分配局が彼女たちの自宅にやってきて、激しい戦いの結果、Sundayが死んでしまいます。

 

7人姉妹という設定を生かし、言葉が悪いですが、脚本上で主人公を捨て駒にすることを可能にしているところが面白いと思いました。

 

次は一体誰が犠牲になるのか?最後まで生き残るのは誰なのか?というところで、非常にハラハラドキドキさせられます(笑)。

 

それと、児童分配局相手にかなり奮闘したWednesdayをあっさり殺すあたりに、脚本家がこの設定を上手く使い倒そうとしている意図が見て取れます。

 

普通の映画であれば、あれだけの修羅場を潜り抜けたキャラクターを殺すことはしないでしょう。

ただし、この映画ではそれができます。なぜなら、彼女の遺志を継ぐ主人公が他にも残っているからです。

 

Wednesdayみたいにあっさり主人公が死んでしまうと、見ている側は平然としていられません。本当に、主人公の誰が死んでもおかしくない状況に追い込まれるからです。

 

一部、脚本に欠点もある

ただし、本作の欠点を一つ上げるとすれば、それは姉妹それぞれの担当曜日に死や失踪が集中していることです。

 

外出した一人が狙われるのは当然なことなのですが、外出した姉妹が次々に消えるか死んでしまうため、「外出者=死ぬ」という予想が自然に膨らんでしまいます。

 

ただし、この欠点があまり気にならないくらい、本作そのものの脚本が素晴らしいと思います。

 

謎のバランスがちょうどよい

7人姉妹であることが何故かバレてしまったことにより、彼女たちの日常は急速に壊れていきます。「何故7人姉妹であることがバレたのか?」が本作の主題であり、その答えによって、一連の事件の犯人が明らかになります。

 

この手のストーリー全体に共通する謎は、難しすぎると視聴側が考えることを放棄してしまい、簡単すぎると物語に緊張感をなくしてしまいます。

 

本作は、この主たる謎の難しさのバランスがちょうど良いなと思いました。

 

例えば、謎に対するヒントはストーリー序盤の彼女たちの幼少期に散りばめられています。ちょっと考えれば、解けてしまえそうな謎なのですが、物語全体にスピード感があるため、視聴側はあまり考える余裕がなく、進行中のストーリーに引きずり込まれていきます。

 

謎への回答を少し醸し出しつつも、緊張感ある場面を次々と展開していく。まさにサスペンスのお手本のような脚本だと思いました。

 

まとめ

 

未来社会を舞台にした映画には、当たり外れが多いため、正直あまり期待していなかった部分がありました。

 

しかし、蓋を開けてみたら、なかなかに面白い映画でしたね~。

近年のサスペンス映画のトップ5に入ります。

やっぱり、「主人公をあっさり殺す」ところが特に良いですね。他の映画では絶対にできないことなので、製作側も楽しかったのではないでしょうか(笑)

 

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