【紹介×感想】『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』
こんにちは、ノリスケです。
カッコいいライアン・ゴズリングが見たい方、今回紹介する「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命」を観ましょう(笑)
この作品は、『ブルーバレンタイン』のデレク・シアンフランス監督と、ライアン・ゴズリングが二度目のタッグを組んだサスペンス×ドラマ映画です。
ゴズリングのほかにも、ブラッドリー・クーパー、エヴァ・メンデス、レイ・リオッタなどの豪華キャストが出演します。
今回は、本作の紹介と感想の記事になりますので、まだ見たことがない方は、参考にしていただければと思います。
※ページ下部の感想にネタバレがあるので注意してください。
基本情報
製作年:2012年
上映時間:141分
ジャンル:サスペンス、ドラマ
監督:デレク・シアンフランス
キャスト:ライアン・ゴズリング、ブラッドリー・クーパー、デイン・デハーン、エヴァ・メンデス、レイ・リオッタ、ベン・メンデルソーン、ほか
概要
「ブルーバレンタイン」のデレク・シアンフランス監督&主演ライアン・ゴズリングが再タッグを組み、親の罪が子にも受け継がれるという血の因果を描いたクライムドラマ。かつての恋人ロミーナと再会したルークは、息子ジェイソンが産まれていたことを知り、2人を養うため銀行強盗に手を染める。新米警察官のエイヴリーは、ルークを追いつめるがあるミスを犯し、罪悪感を抱える。しかし、周囲からは評価され複雑な気持ちを胸に、警察の腐敗に立ち向かう。15年後、成長したジェイソンはルークとエイヴリーそれぞれの秘密を知ってしまい、その怒りの矛先は親しくしていたエイヴリーの息子AJへ向けられる。共演にエバ・メンデス、ブラッドリー・クーパー。
予告編
ノリスケの評価
100点満点中 80点
全体:★★★★★
脚本:★★★★☆
映像技術:★★☆☆☆
音楽:★★★☆☆
演出:★★★★☆
編集:★★★★☆
何度も見たいと思うか:思う
一言で言うとどんな映画なの?
本作の大きな特徴は、2組の父と子の物語を、3部構成で描いていることです。途中で主人公が交代するとともに、作中で15年の月日が経過します。
簡単にまとめると、下記のような流れで本編が進行します。
第一部:ルーク(ライアン・ゴズリング)が主人公のストーリー
第二部:エイヴリー(ブラッドリー・クーパー)が主人公のストーリー
第三部:ジェイソン(デイン・デハーン)が主人公のストーリー
境遇が全く異なる2組の親子を通して、親同士に起こった出来事が子供たちに受け継がれる様子が描かれます。
どういう人にオススメか?
人生や生き方を描いていることから、人間ドラマに近い内容の映画ではありますが、サスペンス要素も豊富です。
(特に、第二部のエイヴリー編はドキドキハラハラしてしまう展開が多いです。)
サスペンス映画が好きな方に、好まれる映画かと思います。
また、内容はシリアスかつ重厚なので、友達や恋人と見るような映画ではないですね。夜に1人、しんみりと見るタイプの映画のように思います。
どんなところが高評価?
三部構成で描かれる重厚なストーリー
上述したように、本作の大きな特徴は、主人公が途中で交代する3部構成で描かれていることです。
その分、上映時間も141分と長めなのですが、1つのストーリーの長さは40~50分程度になるので、途中でダレることがありません。
かと言って、1つのストーリーに話を詰め込んでいるわけでもなく、非常に丁度いいバランスになっています。
無駄なシーンが一切ない映画には良作が多いのですが、本作もそのタイプの映画と言えるでしょう。
豪華俳優陣の素晴らしさ
まずもって、主演のライアン・ゴズリングがめちゃくちゃカッコいいです。
今作の彼は、凄腕のバイク乗りにも関わらず、子供のために銀行強盗を行う主人公を演じています。
凄腕のドライバーを演じた『ドライヴ』とイメージが被る方がいらっしゃるかもしれませんが、彼の演じるルークは、『ドライヴ』のドライバーとは全く異なる主人公になっています。
凄腕のライダーでありながら、子供のために慣れない犯罪に手を染めるという、不器用でまっすぐなキャラクターとして描かれていて、そこが非常に魅力的です。
そして、今作に(も)悪役で登場するレイ・リオッタ。
悪役を演じさせたら間違いないリオッタさんなので、今回彼が演じるキャラクターにも上手くハマっています。
まさしく期待通り(?)の演技と言うか…(笑) レイ・リオッタファンには是非見ていただきたいですね。
さて、ここからは、ネタバレ有の本編の感想になりますので、未視聴の方はご注意ください。
感想
実はこの作品、一度目は劇場で、二度目はHuluで観ています。
一度目は、あまりにもあっさりルークが死んだところでただただ驚きましたね。てっきり、ルークが主人公のまま、ストーリーが進行すると思っていたので。
二度目を自宅で観て、いろいろと自分の中で整理ができたので、感想を書いてみたいと思います。
不器用なルークの姿に男泣き必死!
もう、なんでしょうね。自分がルークと同世代の男性だからかもしれませんが、ルーク編は男泣きしっぱなしでした。
特に、「教会での洗礼のシーン」や「アイスのくだり」、「コフィを殴った」ところですね。
ルークは決して悪い人間ではないんですが、不器用で真っすぐな性格故に、物事をうまく運ぶことができないのだと思いました。
子供の父親になりたいと思って、街に残ったところとか、金を得るために銀行強盗に手を染めるところとか、彼は自分に正直に生きているのですが、結果的に、それが彼自身を殺し、ロミーナを苦しめることになりました。
ライアン・ゴズリングがハンサムであることがさらに悲壮感を盛り立て、人生の「上手くいかない」様子が、観る者に重くのしかかってくるのだと思います。
不器用な父子と器用な父子の対比
キャラクターの特徴を出すために、対になるキャラクターを登場させる手法がありますが、本作には不器用な一家と器用な一家の対比構造が取り入れらているように感じました。
不器用な父子とは、ルーク、ジェイソン親子で、器用な父子とは、エイヴリー、AJ親子を指します。
エイヴリーは、ピンチをチャンスに変えてのし上がっていくタイプの野心家で、人々に称賛される正義感の持ち主ですが、自分の身を守るためには、平然と嘘をつくという狡猾さも持ち合わせています。
AJは、父親の立場を利用して人間関係を構築し、ジェイソンを薬供給のための手駒にしようとします。
一方、ジェイソンは、実の父親への好奇心から、父親の死の真相を知ってしまい、誰にも告げずに街を出て行ってしまいます。
特に、ジェイソンとAJは、共通項と対立項を持ち合わせている面白いキャラクターだと感じました。
例えば、以下のような点が挙げられます。
(共通)
・二人とも父親を求めている。
ジェイソンはルークのことを知りたいと思い、AJはエイヴリーの気を引こうとしている。
(対比)
・世渡りのうまさ
ジェイソンは如何にも不器用と言う感じ。一方、AJは父親の立場を利用してしたたかに生きている。
・父親からの影響
ジェイソンはバイクに乗って街を出てゆく。(ルークからの影響を強く感じる)
AJは司法長官に当選したエイヴリーに対して、特に喜びの感情はない。
結果的に、死んでしまった父親が子供に強い影響を与える一方、子供のことを思って出世する親は、子供とどんどん離れていってしまいました。
2組の親子の境遇を対比させることによって、物語全体の重みを増しているところが非常に良いと思います。
まとめ
理屈とか関係なく、「血は争えない」、「死んだ親が、残された子供に影響を与える」ということをシリアスかつ重厚に描いた作品だと思います。
特に、子供の誕生によって町に留まったルークが死んでしまい、ルークの死の真相をしったジェイソンが町を出ていくという流れが良いですね。如何にも「血は争えない」という感じで。
こういうシリアスな作品は個人的に非常に好みなので、機会があればデレク・シアンフランス監督の他作品についても感想を書きたいと思います。
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