【評価&オススメポイント】ブレードランナー 2049

遅ればせながら、「ブレードランナー 2049」を劇場で鑑賞してきたので、今回は本作の評価、オススメポイントを書いていきます。

※ネタバレ有の感想は別記事にアップします。 

前作の「ブレードランナー」から、35年が経ってから公開された今作品。「前作から時間が空きすぎているので、世界観が大きく変わっていないか不安。」「続編は大抵つまらなくなるから、今作も例外ではない。」という声が聞こえてきそうですが、「ブレードランナー 2049」はそのような悪評とは無縁の良作だと思います。

本作は、特に次のような方々にオススメできる映画です。

• 前作「ブレードランナー」のファン
• 主演のライアン・ゴズリングのファン
• 退廃的な未来描写を好む人

前作「ブレードランナー」の評価と感想についてはコチラの記事をどうぞ。

www.norirog.com

１．基本情報

公開年：2017年

上映時間： 163分

ジャンル：SF、サスペンス

監督：ドゥニ・ビルヌーブ

脚本：ハンプトン・ファンチャー、マイケル・グリーン

音楽：ベンジャミン・ウォルフィッシュ、ハンス・ジマー

キャスト：ライアン・ゴズリング、アナ・デ・アルマス、シルビア・ホークス、ハリソン・フォード、ジャレッド・レト、他

２．概要

リドリー・スコット監督がフィリップ・K・ディックの小説をもとに生み出した1982年公開の傑作SF「ブレードランナー」から、35年の時を経て生み出された続編。スコット監督は製作総指揮を務め、「メッセージ」「ボーダーライン」などで注目を集めるカナダ出身の俊英ドゥニ・ビルヌーブ監督が新たにメガホンをとる。脚本は、前作も手がけたハンプトン・ファンチャーと、「LOGAN ローガン」「エイリアン　コヴェナント」のマイケル・グリーン。前作から30年後の2049年の世界を舞台に、ブレードランナーの主人公“K”が、新たに起こった世界の危機を解決するため、30年前に行方不明となったブレードランナーのリック・デッカードを捜す物語が描かれる。前作の主人公デッカードを演じたハリソン・フォードが同役で出演し、「ラ・ラ・ランド」のライアン・ゴズリングがデッカードを捜す“K”を演じる。

（映画.comより）

３．予告編 

映画『ブレードランナー2049』日本版予告編

４．評価

全体：★★★★★

脚本：★★★★★

視覚効果：★★★★★

美術：★★★★★

音楽：★★★★★

演出：★★★☆☆

編集：★★★☆☆

５．オススメポイント

よくある話ですが、公開されているあらすじや予告編から推測される本編の内容と、実際の本編の内容は少し異なっています。

予告編を見ると、「人間の手に負えない新型のレプリンカント（人造人間）が表れて、人間が新たな危機に直面する」という内容のように思えますが、実際は違います。

本作を一言で表すならば、「ブレードランナーの世界で離れ離れになった親子の再会を描く映画」と言えるでしょう。

もちろん、レプリカントと人間の対立も描かれていますが、物語の大筋はあくまで「親子の再会」にあります。

前作も、「主人公のデッカードが脱走したレプリカントを探しだす」というものが物語の大筋で、広い世界の中に起きる小さな出来事を描いたものでした。

今作においても、物語の規模は大きなものではありません。

予告を見ると、如何にも人間とレプリカントが戦争を始めるストーリーのように思えますが、ブレードランナーはアクションよりもサスペンス色が強い作品で、物語の規模は小さめなのです。

その点をあらかじめ知ったうえで、鑑賞されたほうが良いように思います。

さて、それでは本作のオススメポイントを紹介していきましょう。

５－１．前作の世界観を踏襲しつつも、より進んだ未来を描く

ブレードランナーといえば、混沌としてダーティな未来世界を舞台にしていることが最も大きな特徴です。「ブレードランナー 2049」は、前作の30年後の未来が舞台となっていますが、その世界観は前作のものを踏襲していて、違和感なくブレードランナーの世界を楽しむことができます。

例えば、相変わらずロサンゼルスの上空には黒い雨雲が立ち込めていて、酸性雨が降りしきる昼も夜もない暗い町になっています。アジア、欧米の世界をごちゃ混ぜにしたような都市空間も健在で、今回も様々な国の言語を看板や宣伝広告で確認することができます。

とはいえ、30年後の未来なので、全く進歩していないわけではありません。

例えば、作中には映画「her/世界でひとつの彼女」で登場したような恋愛のできるＡＩが登場します。ホログラムを使って実際の人間のように振舞うことができ、ユーザーとコミュニケーションが可能になっています。

また、ブレードランナーの空飛ぶパトカーにも新たな機能が追加されています。

ブレードランナーの世界観を継承しつつも、しっかりと現在から想像される未来の技術を取り入れていると言えるでしょう。

５－２．ライアン・ゴズリングの静かな演技が素晴らしい

新主人公、ブレードランナー「Ｋ」役に抜擢された、ライアン・ゴズリング。

何を隠そう、私はハリウッドの若手男性俳優の中で、ライアン・ゴズリングが一番大好きな俳優さんです。

「ラ・ラ・ランド」でも注目されましたが、彼の最も得意とする役は、「口数が少なく物静かで、何を考えているのかわからない男」だと私は思います。

「ドライヴ」や「16歳の合衆国」で彼が演じた役はそのタイプです。

今作で彼が演じる主人公も、口数は決して多くはなく、何を考えているのかつかみにくいところがあります。

ただ、そういう主人公を演じると非常にうまくハマるというところにライアン・ゴズリングの魅力があります。

今作はほとんど彼の視点でストーリーが進むため、彼はほとんどスクリーンに出ずっぱりです。

私のようなライアン・ゴズリングのファンのためにあるような映画なので、ＳＦが苦手なファンの方も是非見てもらいたい作品です。

５－３．現実のものとなるかもしれない未来の恋人関係

上にも書いたように、本作には「her/世界でひとつの彼女」で登場したような恋愛のできるＡＩが登場します。近年、LINEなどでコミュニケーションができるAIが登場していたり、VR技術が進歩してきていることから、近い将来現実のものになるかもしれませんね。

「her/世界でひとつの彼女」との大きな違いは、実際の人間と同じような姿をVRで表現している、という点でしょう。

ほぼ実際の人間と変わらないのですが、VR故に相手の体に触れることができない、キスをすることができない、などという問題もあります。

「her/世界でひとつの彼女」よりも、わかりやすく入り込みやすい恋愛要素になっているので、本作で未来の新たな恋愛について色々と妄想してみると面白いかもしれません。

６．まとめ

今回は、「ブレードランナー 2049」の評価・オススメポイントを紹介しました。

結論を申し上げると、前作「ブレードランナー」が好きな方には間違いなく、オススメできる内容になっています。

そして、主演のライアン・ゴズリング。彼の魅力が詰まった作品と言っても過言ではないので、彼のファンなら必見と言えます。

私は、彼の出演作品の中では「ドライヴ」が一番好きなのですが、２番手は間違いなく本作になるでしょう。

※ドライヴは本当に好きな映画なので、１番からは外れません。

さて、本作のネタバレ有の感想は別記事としてアップします。

よろしければ（鑑賞後に）そちらもお読みください。

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