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【紹介×感想】スパイアクション映画の傑作『キングスマン』

 

キングスマン [SPE BEST] [DVD]

こんにちは、ノリスケです。

 

今回紹介する映画は、2015年に世界中で大ヒットしたイギリス発のスパイアクション映画『キングスマン』です

主役のコリン・ファースが放つキレキレのアクションが大いに話題となりました。

 

原作は、『キックアス』の原作者として知られるマーク・ミラー。同じく『キックアス』の監督であるマシュー・ヴォーンが監督を務めました。

 

映画界でかなり話題になっていたのですが、何故か見る機会がなく。。。(汗)

続編である『キングスマン・ゴールデンサークル』が公開されたこともあり、やっとのことで見てみました。

 

結論から言ってしまうと、ここまで面白いスパイ映画は本当に久しぶりだと思いました。公開当時、大ヒットしたことも当然だと思います。

 

まだ見たことがない方には、是非是非見ていただきたい映画になっていますので、簡単に映画の紹介をしていきますね。

 

 ※ページ下部の感想にネタバレがあるので注意してください。

 

基本情報

公開年:2015年
上映時間:129分
ジャンル:アクション
監督:マシュー・ヴォーン
キャスト:コリン・ファースサミュエル・L・ジャクソンマーク・ストロングタロン・エガートンマイケル・ケイン、他


概要

英国王のスピーチ」でアカデミー賞を受賞したコリン・ファース主演、「キック・アス」のマシュー・ボーン監督&マーク・ミラー原作によるスパイアクション。表向きは高級スーツ店だが実は世界最強のスパイ組織「キングスマン」で活躍する主人公ハリー・ハートをファースが演じ、ハリーに教えをこう若きスパイのエグジーに、新星タロン・エガートンが扮する。その他、マイケル・ケインマーク・ストロングサミュエル・L・ジャクソンらが共演。ブリティッシュスーツを華麗に着こなし、スパイ組織「キングスマン」の一員として活動しているハリー。ある日、組織の一員が何者かに殺されてしまい、その代わりに新人をスカウトすることになる。ハリーは、かつて命を助けてもらった恩人の息子で、密かにその成長を見守っていたエグジーをキングスマンの候補生に抜擢する。一方その頃、頻発する科学者の失踪事件の首謀者ヴァレンタインが、前代未聞の人類抹殺計画を企てていた。

 (映画.comより)

 

予告編


映画『キングスマン』予告編

 

ノリスケの評価

100点満点中 95点

全体:★★★★★

脚本:★★★★☆

映像技術:★★★★☆

音楽:★★★★☆

演出:★★★★☆

編集:★★★★☆

 

一言で言うとどんな映画なの?

スパイの父親を持つ労働者階級の若者がスパイとして成長していく物語と、彼の師匠にあたるベテランスパイの戦いが描かれます。

 

007シリーズやMIシリーズ、ボーンシリーズなどで知られるスパイ映画の一つなのですが、若者の成長を描いている点、労働者階級と資本家階級の戦いを描いている点が新しいと思いました。

 

また、公開当時話題になったアクションシーン、これが特に素晴らしいです。

主役のハリーを演じるコリン・ファースは、これが映画キャリア初のアクションだったということですが、彼の戦闘シーンが圧巻の一言に尽きます。

 

ストーリーを度外視しても、彼のアクションシーンだけで見る価値が十分ある映画です。

 

どういう人にオススメか?

他のスパイ映画同様、本作も娯楽映画の一つに数えられますので、アクション映画に限らず、大作の映画を観たい、ハラハラドキドキの映画を観たい、という方にお勧めの作品になります。

 

ただし、本作には、残虐描写、グロテスクな描写が多少(?)含まれていますので、そういうものに耐性がない方は少し覚悟が必要です。 

 

それでも、老若男女問わず楽しむことができる娯楽映画の範疇を超えることはありませんので、友人や恋人との鑑賞にもおすすめです。

 

さて、ここからは、ネタバレ有の本編の感想になりますので、未視聴の方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

脚本、アクション、テーマのバランスが非常によく、見てよかったと思えるアクション映画に仕上がっていると感じました。

 

エグジーの成長とハリーの戦いを交互に描いている点が良い

面白い映画と言うのは、観客を全く飽きさせることなく、クライマックスまで到達します。本作は、実質の主役であるエグジーの成長譚と存在感溢れるハリーの戦いを交互に描くことにより、ストーリーにメリハリを持たせることに成功していると思います。

 

主役のエグジーは、スパイとしての才能を垣間見せつつも、精神的、技術的にはまだまだ未熟であることが、キングスマン承認試験で描かれていきます。

その一方、ハリーはと言うと、熟練した技術で敵に近づいていきます。

 

未熟な若者とベテランのスパイを対比させることにより、両者のキャラクターがより際立ち、双方がより魅力的になっていると感じました。

 

 

アクションシーンのカメラワークが凄い

 

今作の最も大きな特徴をあげるとすれば、やはりアクションシーン、ということになります。

どこが凄いのかと言うと、戦闘シーンのカメラワーク(演出)だと思いました。

特筆すべきは教会での戦闘シーンで、あたかもノンカットのように、流れるように繰り出される攻撃の嵐。

見ていて実に爽快で、例えば格闘ゲームなどで上手くコンボが決まった時と同様の快感を、本作のアクションシーンから感じることができました。

 

さらに、スーツを着こなした英国紳士が、キレキレのアクションをするっていうことが良いギャップになっており、アクションの魅力を引き立てる材料になっています。

 

一貫したテーマがある

如何に娯楽作品といえども、作品全体に一貫したテーマがあると、ストーリーそのものの重みが全く違ってきます。

 

本作はというと、労働者階級と資本家階級の対立が主たるテーマになっていると思いました。

(資本家階級を馬鹿にしていると言ってもよいシーンもあります。)

 

労働者階級、資本家階級に触れるシーンは本作に多く含まれているのですが、例えば以下のようなシーンが該当します。

 

・エグジーは労働者階級の生まれであり、そのことにコンプレックスを持っている。

・ハリーはエグジーに対し、「人の人生は生まれた環境では決まらない。努力次第でどんな人間にもなれる。」と説明する。

ランスロットの候補者である資本家階級の連中(所謂おぼっちゃま)がどれも感じの悪い性格である。

マイケル・ケイン演じるアーサーは、資本家階級の人間こそがキングスマンに相応しいと考えている。

・ヴァレンタインは、世界中の政治家、資本家を操るため、彼らに爆薬を埋め込むが、反対にエグジーに利用され、政治家たちを皆殺しにされる。

(政治家たち、金持ち集団の頭が爆発するシーンが、実に皮肉めいていて非常によい!)

 

これらのシーンから、如何に本作が資本家たちをコケにしているかがわかります。

この映画が大多数の人々に支持された理由は、おそらくこのテーマ性に関係するのだと思います。

 

大多数の人間は、資本家階級ではなく労働者階級の人間になりますので、当然、貧乏人が成功し、金持ちが失敗するストーリーに好感を持ってしまいますよね。

(少なくとも、私は労働者階級の人間なのでそう思いました。)

 

「人の人生は生まれた環境では決まらない。」というハリーの言葉は、現実的には厳しいものがあると思いますが、多くの人々に希望と夢を与えるアクション映画のテーマの根幹をなすセリフとして、非常に意味のあるものだと思いました。

 

まとめ

冒頭にも書きましたが、ここまで面白いスパイ映画を観たのは本当に久しぶりでした。続編である『キングスマン・ゴールデンサークル』にも期待しかないのですが、二作目は一作目よりも劣るのが通例なので、そういう意味では、少し不安もあります。

 

『ゴールデンサークル』の紹介・感想記事は、後日アップしたいと思いますので、また後程、よろしくお願いします。

 

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