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【紹介×感想】バイオレンスと純愛の融合『ドライヴ』

ドライヴ [DVD]

ラ・ラ・ランド」、「ブレードランナー 2049」の公開により、グッと認知度が高まった俳優、ライアン・ゴズリング

 

今回は、私が彼に注目することになったきっかけの映画「ドライヴ」の紹介と感想の記事になります。

※ページ下部の感想にネタバレがあるので注意してください。

 

この映画を形作っているものは、孤独なヒーロー、カーアクション、純愛、美しい映像、バイオレンスです。

特に、孤独でカッコいいヒーローを観たい方にオススメの映画だと思います

 

基本情報

公開年:2011年
上映時間:100分
ジャンル:サスペンス
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
脚本:ホセイン・アミニ

音楽:クリフ・マルティネス
キャスト:ライアン・ゴズリングキャリー・マリガンブライアン・クランストン、クリスティーナ・ヘンドリックス、ロン・パールマンオスカー・アイザックアルバート・ブルックス


概要

きみに読む物語」「ブルーバレンタイン」のライアン・ゴズリング主演で、昼はハリウッド映画のカースタントマン、夜は強盗の逃走を請け負う運転手として働く孤高の天才ドライバーが、愛する女性を守るため裏社会を相手に命がけの戦いを繰り広げる姿を描いたクライムサスペンス。デンマーク出身の新鋭ニコラス・ウィンディング・レフン監督が手がけ、2011年・第64回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した。

(映画.comより)

 

予告編


映画『ドライヴ』予告編

 

ノリスケの評価

全体:★★★★★

脚本:★★★★☆

映像技術:★★★★★

音楽:★★★★★

演出:★★★★☆

編集:★★★☆☆

 

一言で言うとどんな映画なの?

わかりやすく述べるならば、「1人の天才ドライバーが恋人を守るために裏社会と戦う」という内容の映画になると思います。

 

どんなところが高評価?

1.美しいシーンの連続

何といっても特筆すべきはシーンの美しさです。

ロサンゼルスの夜景から、運転するドライバーの姿、アパートの一室に至るまで、

美術的で美しいシーンの連続です。

 

2.主人公のドライバーがたまらなくかっこいい

ライアン・ゴズリングが演じる主人公のドライバー。彼は、自動車工場とスタントマンという仕事のほかに、強盗の逃走専門の運転手という裏の顔を持っています。

強盗の手助けのルールは、「何があっても5分間だけ待ってやるが、それ以上は待たない。」というシンプルなもの。そして、無駄口は叩かず、冷静に警察の追跡を交わし、強盗犯を送り届けます。

パトカーが近づいても、決して慌てずクールに運転するドライバーがたまらなくかっこいいです。

 

3.溢れ出るバイオレンス描写

マンションの隣人であるアイリーンと良い雰囲気になるドライバー。映画の途中まで、ラブロマンスもののような展開を見せますが、アイリーンの夫であるスタンダードが出所してきたことにより、一気にサスペンス成分が多めになります

そして、スタンダードの強盗の手助けをすることになるのですが、そこからはバイオレンス描写があふれ出します。

(いきなり血みどろのオンパレードになるので、初見は本当に驚きます(笑)) 

 

ただ、シーン全体が美しいこともあり、流血シーンは決してグロいものではなく、不思議と芸術的なものに仕上がっています。

 

 

4.主演男優、主演女優の配役がピッタリ

主演男優は「きみに読む物語」で一躍有名になったライアン・ゴズリング。彼は、無口な役や何を考えているかわからない変人を演じたら、とてつもなくその役にハマります(少なくとも、私はそう思っています)。今回、彼が演じた主人公は無口・無表情で飄々としていて、何を考えているわかりにくいところがあります。正統派のヒーローとは少し異なるのですが、ライアン・ゴズリングはドライバーというヒーローに完全に一体化していました。

 

一方、主演女優は「17歳の肖像」で注目されたキャリー・マリガン。彼女が演じたアイリーンは、母性と女性らしさを併せ持つ非常に魅力的な女性として描かれています。撮影当時、彼女はまだ25-26歳だったはずですが、とてもそうは見えない大人の魅力を放っています。

 

「ドライヴ」の主演は、この二人しかありえないと思うほど、見事に役にハマっていると言えるでしょう。

 

さて、ここからは、ネタバレ有の本編の感想になりますので、未視聴の方はご注意ください。

 

感想

 

この映画、私は大好きで何度も見ているのですが、とにかくライアン・ゴズリング演じるドライバーが魅力的で仕方がありません。

 

無表情で、クールなところもカッコいいのですが、彼は様々な一面をもつ奇妙なヒーロー像を持っていると思います。 

 

例えば、恋人のアイリーンと一緒にアパートのエレベーターに乗ったところ、自分の命を狙う男と遭遇するシーンがありますよね。

彼は、男が自分の敵であることをすぐに見抜くのですが、エレベーターを降りずに、その場でアイリーンにキスをします。

そして、キスが終わると同時に男に掴みかかり、何度も何度も男の顔を蹴り倒します。しかも、男の顔がつぶれてしまうほどに。

彼のあまりの暴力っぷりに、さすがのアイリーンも引いてしまうのです。。。

 

このように、彼はただカッコいいだけではなく、普通の人間とは異なる常軌を逸した一面を持つ人間として描写されているのです。

 

試しに、時系列順に彼の様々な一面を列挙してみましょう。

 

・顔色一つ変えずに追っ手を撒く凄腕ドライバー

・危険な撮影をこなす凄腕スタントマン

・寡黙な自動車整備士

・近隣住民に親切な青年

・子供とすぐに仲良くなる青年

・恋人のために、その主人を救おうとする優しい青年

・ハメられたとわかると、相手に容赦ない暴力を振るう青年

・殺し屋を全て返り討ちにする青年

・黒幕を殺し、どこかへ旅立つ青年

 

本作は、ラブロマンス映画と思わせておきながら、バイオレンス描写満載の暴力映画に変貌していくという奇妙さがあります。

その奇妙さの中心に、主人公であるドライバーがいるのです。

 

終盤、彼はいわゆる「無双」状態になり、自分をハメた黒幕たちを皆殺しにします。しかし、彼は勝利と引き換えに恋人であるアイリーンとその子供ベニシオとの生活を失います。

勝負に勝っても、残ったものは何もない。彼の強靭さと相まって、その事実が痛烈に見るものを締め付けます。

物語としてはバッドエンドなのかもしれませんが、孤独に旅立つドライバーが魅力的に映るのも事実です。

 

この奇妙な役を演じたライアン・ゴズリング。変人を演じれば光る彼だからこそ、ここまで魅力的な主人公が出来上がったのだと思います。

 

名作映画「ドライヴ」。これからも幾度となく見ていく作品になるでしょう。

 

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