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【紹介×感想】『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』

ポスター/スチール写真 A4 パターン5 IT/イット それが見えたら、終わり。光沢プリント

 

こんにちは、ノリスケです。

 

遅ればせながら、スティーブン・キング原作「IT」の二度目の映像化である『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』を見てきました。

 

今回は、本作の紹介と感想の記事になります。

 

北米での累計興行収入が3億2,674万ドルに達し、M・ナイト・シャマラン監督の『シックス・センス』が稼いだ2億9,350万ドルを上回り、事実上のホラー映画No.1の大ヒットを記録したことでも、話題になっています。

 

はてさて、その実力のほどはいかがなものでしょうか。

 

 

 ※ページ下部の感想にネタバレがあるので注意してください。

 

基本情報

製作年:2017年
上映時間:135分
ジャンル:ホラー
監督:アンドレス・ムシェッティ
キャスト:ジェイデン・リーベラー、ビル・スカルスガルド、フィン・ウルフハード、ソフィア・リリス、ニコラス・ハミルトン、他


概要

スティーブン・キングの代表作の1つで、1990年にはテレビドラマ化された「IT」を、「MAMA」で注目を集めた新鋭アンドレス・ムシェッティのメガホンにより映画化。静かな田舎町で児童失踪事件が相次いで起きていた。内気な少年ビルの弟が、ある大雨の日に外出し、おびただしい血痕を残して姿を消した。自分を責め、悲しみにくれるビルの前に現れた「それ」を目撃して以来、ビルは「それ」の恐怖にとり憑かれてしまう。不良少年たちからイジメの標的にされている子どもたちも、自分の部屋、学校、町の中など何かに恐怖を感じるたびに「それ」に遭遇していた。「それ」の秘密を共有することとなったビルと仲間たちは、勇気を振り絞り、「それ」と立ち向かうことを決意するが……。

(映画.comより)

 

予告編


映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』予告編【HD】2017年11月3日(祝・金)公開

 

ノリスケの評価

100点満点中 70点

全体:★★★☆☆

脚本:★★★☆☆

映像技術:★★★★☆

音楽:★★★★☆

演出:★★★☆☆

編集:★★★☆☆

何度も見たいと思うか:思わない

 

一言で言うとどんな映画なの?

 

本作は、アメリカの田舎町で起こる児童誘拐事件を下敷きに、殺人ピエロ「ペニーワイズ」と子供たちの攻防を描いたホラー映画です。

 

スティーブン・キングの名作小説「IT」が原作であり、1990年にはテレビドラマ化がされています。

 

テレビドラマを再編集した映画(DVD)の感想記事はこちら↓

www.norirog.com

 

敵方であるペニーワイズは、子供にしか見えないピエロであり、町の子供たちを次々に誘拐していきます。大人に助けを求めることができないため、数人の子供たちが立ち上がり、ペニーワイズを倒そうとする物語です。

 

どういう人にオススメか?

ホラー映画が好きな方はもちろん、あまりホラー映画を観ない方にもオススメできる映画です。

 

子供の誘拐と殺人という、比較的重い内容を扱っているのですが、子供たちが知恵を絞って敵に挑むという展開は、冒険アドベンチャー的要素を内包しています。

 

ただし、グロいシーンがそれなりにありますので、子供だけの視聴はあまりお勧めしません。どちらかというと、中高生~20代の若者が、カップルや友達同士で見に行くタイプの映画だと思います

 

どんなところが高評価?

子供たちを主役にすることで、観客層が広くなった!

本作は、アメリカの田舎町に住む少年少女が主役を務めるホラー映画です。

 

日本で言うところの「学校の怪談」に近いものがあり、少年少女たちが自らの力で怪奇現象(ペニーワイズ)に立ち向かう姿が描かれます。

 

子供たちを主役に据え、冒険活劇的要素を取り入れることにより、ホラー映画をあまり見ることがないノーマルな若者でも入り込みやすい内容になっていると思います。

 

対象の観客層が広くなったことが、ホラー映画No.1ヒットにつながったのではないでしょうか。

 

潤沢な予算で製作されたホラー映画

ホラー映画と言うと、低予算のB級映画のイメージを持たれる方が多いと思いますが、本作は3,500万ドルという潤沢な予算で製作されています。

 

テレビ版と大きく異なる点が、この豊富な予算を使用した特殊効果の数々です。

 

テレビ版は如何にも低予算のホラー映画という内容だったのですが、本作では、過去にはできなかったCGを使用した描写が多用されています。

※もちろん、テレビ版の低予算感が好きだという意見もありますが。

 

特に、ペニーワイズの描写にはかなりのCGが使用されていると思います。テレビ版とはまた違った表現になっているので、過去にテレビ版を見たことがある方も、新鮮な気持ちで楽しめると思います。

 

 

さて、ここからは、ネタバレ有の本編の感想になりますので、未視聴の方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

 

北米で事実上のホラー映画No.1の大ヒットを記録したという情報を受け、かなり期待して劇場に向かいました。

 

結論から申し上げると、予想を超えることはなく、ホラー映画としては平凡な部類に入るのかなと思いました。

 

そして、致命的であるのが、「本作からは怖さが伝わってこない」ということです。

 

観終わってから、初めに浮かんだ感想が、ソフィア・リリス演じるヒロインが、やけに可愛かったというものでした。

 

ホラー映画というよりも、お化け屋敷のような映画

上述したように、本作からは「恐怖」が伝わってきませんでした。

 

ペニーワイズには、「子供が最も恐怖する者の姿で現れる」という設定があり、様々な姿でビルたちの前に現れます。観客を恐怖させるシーンでもあるのですが、「相手を怖がらせよう」という製作者の意図がどことなく伝わってきてしまい、こちらとしては何か物足りなく感じてしまいました。

 

CGなどを多用し、ペニーワイズの登場シーンを工夫したりしているのですが、受け手としては驚きはすれども、怖くは感じません。

 

全編を通して、観客を驚かせようとするお化け屋敷のような映画だなぁと感じました。特にも、井戸がある屋敷のシーンはその印象が顕著で、ディズニーランドの「ホーンテッドマンション」のアトラクションを思い出しました。

 

ホラー映画よりもアドベンチャー要素が先に立っているような印象を受けますので、コアなホラー映画ファンには受け入れられないように思います。

 

よく言えば王道のストーリー、悪く言えば新しい要素はない

テレビ版の「IT」は、大人になったマイケルがかつての友人に「ITが帰ってきた」と電話をかけ、それまで忘れていたITとの戦いの記憶を皆が思い出す、というものがストーリーの大筋でした。

 

「皆をそれまで恐怖させるITとは何なのか?」、「かつての仲間が交わした約束とは?」、「仲間たちはどのような経緯でITと対決したのか?」という疑問によって、先が気になる作品になっていました。

 

本作は、主要な登場人物の少年時代から物語が開始するため、テレビ版よりも、青春要素に重きを置いている印象があります。

しかし、テレビ版よりも一部の登場人物の描写が浅くなり、ビルとベバリーのみにスポットが当たっているのが気になりました。

これまで、『IT』には子供たち全員が主人公の群像劇というイメージがあったのですが、本作はビルが主役であり、ベバリーがヒロインという構図がしっくりきます。

 

また、子供たち中心の冒険活劇的ストーリーは王道ではあるのですが、悪く言えば目新しさはなく、平凡な展開になっています

 

例えば終盤、ITとの対決について決裂したビルとその仲間たちですが、ベバリーがITにさらわれたことにより、協力して彼女を助けに向かいます。

仲間を助けるために皆が一致団結する、というものは王道中の王道なのですが、そこはもう少し捻ってほしかったですね。

 

とにかくソフィア・リリスが可愛い

ルーザーズの紅一点、ベバリーを演じたソフィア・リリスが可愛いです。それ以外の良い感想はありません(笑)。

 

こんなことを書くと怒られるかもしれませんが、ITの怖さなどよりも、ソフィア・リリスの可愛さの方が100倍印象に残ります

 

何でしょう、この、今にも花開かんとする蕾的な可愛さというか…。

(念のため言っておきますが、私はロリコンではないですよ!)

 

もちろんエロさなどはないのですが、同世代の子供たちから見て大人びて見えるのが彼女の魅力なのでしょう。(それによって、女子からはいじめを受けているようですが。)

 

まだ15歳ということで、映画への出演回数が少ないソフィア・リリスですが、『IT』への出演により、一気に知名度が上がったものと思います。

 

今後、活躍の場が広がっていくことに期待しています。

 

まとめ

 

世界的なヒットを飛ばしていることから、期待して見に行きましたが、ホラー映画ファンとしては物足りない内容であるということが正直な感想です。

 

一方で、わかりやすく王道的なストーリー、子供を主役に据えた冒険物という要素によって、普段はホラー映画を観ない客層をとらえることができ、世界的なヒットにつながったのではと考えています。

 

よく言えば一般ウケする映画で、悪く言えば映画ファンからは評価されない映画になるのでしょう。

 

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