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【感想】「IT」殺人ピエロの恐怖

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スティーブン・キング原作のホラー映画「IT」。ピエロ恐怖症の方には視聴をお勧めいたしません。2017年にリメイク作品「IT イット "それ"が見えたら、終わり。」が公開されるということで、久しぶりに見直してみました。

 

作品概要

公開年:1991年
上映時間:187分
ジャンル:ホラー
監督:トミー・リー・ウォーレス
脚本:トミー・リー・ウォーレス
音楽:リチャード・ベリス

撮影:リチャード・レイターマン

キャスト:ティム・カリー、リチャード・トーマス、ジョン・リッター、アネット・オトゥール、リチャード・メイサー、ティム・リイド、ハリー・アンダーソン、etc

あらすじ

メイン州の田舎町デリーで、子どもだけを狙った連続殺人事件が発生した。その犯人が少年時代の自分たちを恐怖のどん底に陥れた謎のピエロ、ペニーワイズであることを確信したマイクは、かつての仲間たちと連絡を取ることにする。マイクの仲間たちは、30年前に起こった事件のことを忘れていたが、マイクからの電話をきっかけに徐々にペニーワイズのことを思い出していく。

 

評価

全体:★★★★☆

脚本:★★★☆☆

映像技術:★★★☆☆

音楽:★★★★☆

演出:★★★★☆

編集:★★☆☆☆

 

感想

ホラー映画だけでなく青春映画としても面白い

本作では、前半で登場人物たちの少年時代が描かれ、後半で30年後の現在が描かれます。前半では、登場人物の一人であるマイクがかつての仲間たちに電話をかけ、仲間たちはその電話をきっかけに、過去にペニーワイズと遭遇した出来事について思い出していきます。

マイクは、かつての仲間に、「昔、子供たちを殺害したピエロであるIT(ペニーワイズ)がまた出現したらしい。あの日の約束を果たすために、また集まってくれないか。」と電話で話します。仲間たちのほとんどは、二つ返事でOKし、どんなに忙しくとも、マイクの元に駆け付けます。

何故仲間たちはどんなことにも優先してマイクの元に集まるのか?あの日の約束とは何なのか?という疑問について、少年時代の仲間たちの出会いと、ペニーワイズとの遭遇のストーリーが回答していきます。

特に、仲間たちの出会いと日常、非日常(ペニーワイズ)について前半では相当深く掘り下げられている印象を受けます。ダムをつくったり、ラブレターを送ったり、いじめっ子と対決したりする場面は、まさに青春映画そのものです。

この前半部分があるからこそ、視聴者は登場人物に純分に感情移入することができ、ITの恐ろしさを主観的に知ることができます。

その反面、後半はややダレ気味で、前半のようなメリハリがなくなっていたように思います。

 

意外なペニーワイズの正体

ペニーワイズは、子供たちにしか視認できず、相手が最も恐怖する者(狼男、父親など)に変身する能力を持っています。いかにもオカルトチックな能力を持っていますが、その正体は、用水路の奥深くに住んでいる蜘蛛のような生物だったのです。

イメージとしては、ザ・フライの蠅男を蜘蛛にしたような生物です。ペニーワイズは子供たちを用水路に引きずり込むためのルアーのようなものだったのでしょう。

オカルト的な内容から、現代的な内容に落とし込む展開は、キング原作の「ミスト」などにも見られますので、いかにもキングらしい展開ともいえます。

オカルト要素を期待していた方からしてみれば、少し拍子抜けする展開かもしれませんが、ペニーワイズの正体については映画の冒頭から少しずつ伏線が張られていますので、その正体を想像していくことも今作の楽しみの一つではないかと思っています。

 

まとめ

元々はテレビドラマということもあり、低予算であることが窺い知れる場面も多々ありますが、総合的に見れば、原則の雰囲気を上手く残している良作ホラー映画だと思います。リメイク版の「IT」は本作とどのように変わっているのか、その違いが気になります。

 

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