【感想】(ネタバレ多数有)『スターウォーズ 最後のジェダイ』
こんにちは、ノリスケです。
前回の記事に引き続き、今回は『スターウォーズ 最後のジェダイ』についての記事になります。
今回は、ネタバレ全開、批評全開の感想記事になりますので、未視聴の方はブラウザバックをお願いします!
『スターウォーズ 最後のジェダイ』の見所が気になる方は、以下の記事をご参照ください。
公開初日に、コスプレをして劇場に行くほどではないですが、私はスターウォーズシリーズのファンであると自信を持って言えます。
ファンの一人である私から見て、本作はスターウォーズシリーズの一作品としてどれほど評価できるものなのか?また、そもそも一つの映画作品としてはどの程度のものなのか?これらの疑問を柱として、感想を書いていきたいと思います。
ノリスケの評価
100点満点中 70点
全体:★★★☆☆
脚本:★★☆☆☆
映像技術:★★★★☆
音楽:★★★★☆
演出:★★★★☆
編集:★★★☆☆
何度も見たいと思うか:思う
感想
前作『フォースの覚醒』から2年が経過して公開される新作ということで、かなり期待して劇場に向かいましたが、観終わった後の率直な感想は、『期待を超えてこなかった平凡な作品かなぁ』というものでした。
はっきり言って、ローグワンの方がめちゃめちゃ面白いです。
2時間半という長軸作品にも関わらず、物語のスケールが徐々に小さくなってきている点や、2作目恒例のサプライズがあると思いきや、何だかよくわからなかったところなど、ネガティブな理由をあげればキリがないのですが、一ファンの視点から見て、本作は前作の『フォースの覚醒』よりも増してスターウォーズらしくない作品になってきているということが最も大きなマイナス点かと思います。
ここからは、皆さんがスターウォーズシリーズを全て観ているという前提で話を進めていきますので、ご注意ください。
もはやスカイウォーカー家にまつわるストーリーではなくなっている
本作において、主人公レイの出自が明らかになりました。
レイは幼少時から惑星ジャク―で一人で暮らしており、彼女の両親については謎に包まれていました。しかし、カイロ・レンの口から、彼女の両親の真実が明かされました。
- 彼女の両親は、シリーズの主要人物に関係する人物ではない。
- 金欲しさのために彼女を売った。
- 既に死んでしまっており、ジャク―の共同墓地に埋葬されている。
この真実によって、レイは、これまで登場してきた主要キャラクターとは全く関係のない、赤の他人から生まれた女性であることがはっきりとしました。
この事実が明らかになったとき、皆さんはどう感じましたか?
はっきり言って、私はあまりにも何でもない真実に拍子抜けしました。
あれだけ、ルークの隠し子説、レイアの隠し子説とか色々想像させておきながら、結局はこれまでのシリーズとは全く縁のないキャラクターというところに着地したわけですから。
この真実によって、ナンバリングタイトルで初めて、スカイウォーカー性ではない人物が主人公になったことが確実となりました。
私のような昔からのスターウォーズファンにとっては、スターウォーズとはスカイウォーカー家の物語であるという認識が強く存在しています。
- エピソード1~3:アナキン・スカイウォーカーの物語
- エピソード4~6:ルーク・スカイウォーカーの物語
このため、エピソード7~9についても、ルークの子孫またはレイアの子孫の物語であるという想像が強く働いていました。
しかし、実際に明らかになったのは、スカイウォーカー家とは縁もゆかりもない新主人公の登場。
そして、本作のラストにおいて、ルークは他界し、魂だけの存在になってしまいます。
これらの展開によって、私のなかで「スカイウォーカー家が不在のスターウォーズはスターウォーズとは言えない」という感情が否が応でも芽生えてしまいました…。
ファン特有の偏った意見かもしれませんが、やはりスカイウォーカー家中心の展開を期待していたのが正直な気持ちです。
旧シリーズと同じことをやりすぎ
前作『フォースの覚醒』を観た時にも思ったのですが、旧シリーズのリスペクトやオマージュといいながら、あまりにも同じことをやりすぎではないですか?
例えば、『フォースの覚醒』の終盤の展開は、エピソード4のデス・スター破壊作戦と大差ない内容ですよね?
本作でも、「どこかで見たような…。」という描写が時折見られます。
(真っ白な塩の惑星での戦闘も、エピソード5のオマージュですよね?個人的には、スピーダーの走った跡に赤い線が残る演出はよかったと思いますが。)
旧作のリスペクトも大切ではあると思いますが、終盤の戦闘でここまで似せることはむしろマイナスではないでしょうか。
長時間のわりに、小規模な世界にまとまっている
シリーズ最長の上映時間となった本作ですが、その割には、実にこじんまりとした世界にまとまっている気がします。
と言うのも、ほとんどが下記のような閉鎖的な環境のシーンで構成されているからだと思われます。
- レイとルークの交流(孤島でのシーン)
- レジスタンスの逃亡、ポーの反乱(戦艦内のシーン)
- レイとカイロの共闘(戦艦内のシーン)
- フィンとローズ、DJの潜入(戦艦内のシーン)
…戦艦内のシーンが多すぎやしないでしょうか?
新しい惑星が二つ登場しますが、描かれるはその惑星のほんの一部です。
ストーリーの進行に伴い、スケールが小さくなる
本作にネガティブな感想を抱いてしまう理由のひとつに、ストーリーの進行に伴って物語の規模感が小さくなっていくことが挙げられます。
例えば、
が規模感を小さく感じさせる主な原因かと思います。
新共和国の支援を受けながら戦っていたはずのレジスタンスの規模が、本当に小さくなってしまっています。
旧共和国と独立星系連合の戦いである「クローン戦争」よりも、実に小さい規模の戦争ですよね。
前作『フォースの覚醒』を観た時にも感じていたのですが、エピソード4~6の製作から30年以上が経過しているのにも関わらず、物語のスケールがエピソード4~6と全く変わっていません。
あの時と変わらず、小規模の善玉(レジスタンス)と大規模の悪玉(ファースト・オーダー)が小競り合いをしているような印象を受けます。
エピソード4の公開当時に、あれだけの技術を駆使したのは確かに凄いことですが、30年以上経過しても同じような規模の映画を作るなんて、意味があることなのでしょうか?
ぶっちゃけ、30年前でも現在とあまり変わらないクオリティで『フォースの覚醒』、『最後のジェダイ』を製作することができたのではないかと思ってしまいます。
エピソード7~9はファンの需要とは異なるスターウォーズである
私の中では、これまでのスターウォーズシリーズは、ファンの需要(疑問)に答える形で映像作品を世に送り出してきたというイメージがあります。
例えば、下記の事項が挙げられます。
- エピソード1~3:ジェダイ騎士アナキン・スカイウォーカーは、何故暗黒面に落ちてしまったのか
- クローンウォーズ(アニメ):クローン戦争とはどのような戦争だったのか
- 反乱者たち(アニメ):反乱同盟軍がどのように立ち上がったのか
- ローグワン:デススターの設計図はどのようにして入手されたのか
特に、エピソード2と3の間に起こったクローン戦争を描いたアニメ作品「クローンウォーズ」は大変クオリティが高く、シーズン6まで製作されました。
どの映像作品も、ファンならば通常抱くであろう疑問に対し、回答を提示しています。
一方で、エピソード7~9はどうでしょうか?
これまでの映像作品がエピソード4~6の後付け作品であったのに対し、エピソード7~9は全くの新しい世界を描いています。
とは言え、エピソード4~6、1~3の順序を辿ってきたファンの視点から見れば、エピソード7~9についてはおおよそ下記のように想像していたのではないかと思います。あくまで一ファンの意見でしかありませんが。
①ルークがコルサントにニュージェダイ・オーダーを設立し、パダワンの指導を始める
②共和国が復活するが、一部の惑星は共和国を離れ、帝国の残党に支援を開始する
③レジスタンスが結成され、帝国の残党と戦闘を開始
エピソード1~3でジェダイ・オーダーの最盛期を観ている以上、エピソード7~9でオーダーが復活してほしかったというのが、正直な気持ちです。
(私と同じように、オーダーの復活を夢見ていたファンは多いはずです。)
最も期待していたのは「ルークがパダワンたちと共に新たな敵と戦う」という内容だったのですが、実際に公開されたエピソード7~8は私の想像とはかけ離れた内容になっていました。
そのため、『フォースの覚醒』、『最後のジェダイ』をスターウォーズらしくない映画だと感じてしまうのかもしれません。
登場人物に個性がない
全体的にキャラクターが地味と言うか、個性がないですよね。
その最たるキャラが、フィンだと思いますが(笑)
どうしても過去作との比較になってしまうのですが、過去作を超えるほどの個性を持ったキャラクターが、本作には登場しません。
例えば、ダース・シディアスに比べれば、スノークなど小物感が否めませんし、過去のシスに匹敵する悪キャラが存在しません。
レジスタンスも、本当に地味。
ポーも確かにカッコいいですが、劣化版ルークに見えてしまうのが残念です。
エピソード1~3に登場したメイス・ウィンドゥ並みに印象に残るキャラはいないんでしょうか。
まとめ
かなり辛辣な意見を書いてしまいましたが、これが正直な気持ちです。次回作『エピソード9』にもそこまで期待はしていません。
『フォースの覚醒』を観た後には、早く『最後のジェダイ』を観たい!と思ったものですが、『エピソード9』を早く見たいという欲求はありませんね。
ソロがいない、ルークもいない、新キャラが地味であるというスターウォーズに、一体何を期待しろというのでしょうか。
新キャラクターたちが旧キャラクターを超えていない時点で、その映画には魅力がありません。
ソロやルーク、レイアなど、旧3部作のメンバーを退場させるからには、彼らを超えるキャラクターを登場させる必要があるはずです。
『最後のジェダイ』の時点で、残念ながらそれが出来ているとは思えません。
一人のファンとして、エピソード7~9がスターウォーズの黒歴史になってしまわないことを願うばかりです。
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