【感想】サベージ・キラー(2013・米)
世の中には、沢山の映画があります。その中には、人生を変えるほどの素晴らしい映画や、何十回も見てしまうほど面白い映画があります。しかし、中には非常につまらない映画も存在します。今日私が見た映画は、そのつまらない中の一つです。数週間もすれば、タイトル・内容ともに確実に忘れてしまうと思うので、何故つまらなく思ったのかということを、書き留めておきます。
~ざっとしたあらすじ~
婚約者に合うために車で一人旅をしていた女性ゾーイは、人間を殺そうとしている田舎の不良集団に遭遇する。ゾーイは殺されそうになっている青年を助けようとするが、逆に集団に拉致され、暴行された挙句レイプまでされてしまう。
ゾーイは男たちのすきをついて逃げ出すが失敗し、ナイフで刺されて砂漠に埋められてしまう。一度は死んだゾーイであったが、インディアンの末裔の老人に助け出され、不思議な力で息を吹き返す。自分を暴行した男たちへの復讐を始めるゾーイであったが、その身体には異変が起こっていた。
~惜しいと思うこと~
この映画「サベージ・キラー」は、ホラー映画というジャンルの中でも、復讐物と位置付けられる種類の映画です。同様の種類の映画に、「アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ(2010・米)」などが挙げられます。見知らぬ田舎に足を踏み入れた主人公が、現地の住民から謂れのない暴力を受け(前半)、受けた暴力に見合った復讐をする(後半)というのがこの種の映画の流れになります。しかし本作は、主人公が暴力を受けるシーンはあっさりと終わり、自由になった後の復讐パートに多くの時間が割かれています。私がつまらないと思った理由の一つがこれに関係します。
ベッドで暴行を受けたゾーイ。もうちょっとこの過程を丁寧に描いてほしかった。
復讐物の面白さは、非人道的な行いをした人間に対して、現実では到底できないような復讐を疑似体験することにあると思います。つまり、鑑賞側にも「こんな残虐なことをしたやつになら、これくらいの復讐をしなきゃね」という感情を抱かせる必要があります。そこで重要になるのが、復讐に至る過程です。本作の悪者達も、インディアンの末裔を殺したり、ゾーイを拉致監禁するなど、相当悪いことをやっているわけですが、具体的にどのようなことをやったかというところがあまり描かれず、すぐに復讐パートへ移行してしまいます。「こいつらに復讐したい!」という感情を鑑賞側が十分に抱く前に、ゾーイの復讐劇が始まってしまうのです。確かに悪事を働いている奴らですが、ここまで復讐して良いものか。。。と、途中で思ってしまいました。
ジョジョの奇妙な冒険のブチャラティのように動く死体と化すジョーイ。どんどんグロテスクな見た目になっていくので、善玉に見えない。。。
主人公に与えられたダメージが大きければ大きいほど、復讐パートでは多くのカタルシスがもたらされます。むしろ、この手の映画では、復讐に至る経緯を細かく描き、復讐パート自体の時間は少なめでも良いのではと思いました。
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同じような復讐映画。復讐の仕方が凝っていて、非常に面白い。
【感想】チャイルド・プレイ(1988・米)
ハロウィンの時期には無性にホラー映画が見たくなります。
そんなわけで、今日は傑作ホラー映画チャイルド・プレイ(1988・米)の感想です。
~ざっとしたあらすじ~
殺人鬼の魂が乗り移ったおもちゃの人形が、新たな体を手に入れるために人を殺傷するというホラー映画。少年アンディは、誕生日にグッドガイ人形というおもちゃの人形を母親カレンから買ってもらいます。しかし、その人形には殺人鬼チャールズ・リー・レイ(チャッキー)の魂が乗り移っており、チャッキーは人知れず殺人を犯していきます。アンディはチャッキーが生きていることに気づきますが、チャッキーは人間に戻るためにアンディの体を狙いだします。アンディを守るために、母親カレンと刑事がチャッキーと戦う、というのが主なストーリー。
~面白いポイント~
①動くかもしれないという恐怖
初見に限りますが、この映画で最も怖いポイントは、今にも動き出しそうな人形の不気味さです。チャイルド・プレイを見る時点で、鑑賞側は「あぁ、この映画は人形が動くんだな」ということは始めからわかっています。しかし、序盤のチャッキーはなかなか動かず、ペラペラと言葉を話す描写もありません。はっきりと動く姿は抑え目なのですが、無表情の人形が動いているということを鑑賞者に伝えてきます。例えば、いきなり寝室からリビングに移動してテレビを見ていたりします。それだけでも十分怖いのですが、無表情の人形が人知れず家の中を動き回るんだという事実を伝えることで、鑑賞側を「この人形は、いつ動くかわからない!」という気持ちにさせ、映画の世界にぐっと引き込みます。
腕をつかまれるチャッキー。こんなぞんざいに扱ってたら、後で仕返しされるんじゃ…と思わず不安になる。
最も怖いのは、チャッキーに電池が入っていないことに母親が気づくシーン。電池が入っていないことに気づいた瞬間に、おもむろにチャッキーが話しかけてきます。おどろいた母親はチャッキーをソファーの下に落としてしまうのですが、そのソファーの下をのぞき込むシーンが怖すぎる。今にもチャッキーが飛び出してきそうでね。ゴキブリが逃げこんだ隙間を恐る恐る除く感覚に近いだろうか。。。
電池が入っていないことがバレるやいなや、しゃべりだすチャッキー。なんてエコなおもちゃなんだ。
電池なしで動くチャッキーに衝撃。遊ぶわけないじゃない…!
日本人形でも通じるものがありますが、今にも動き出しそうだってところが人形に対して人が恐怖をいだく一面ですよね。チャッキーも、序盤の無表情のあたりが一番怖いです。後半になってくると表情豊かに残虐な顔をしだすのですが、人形らしさがなくなり、自分的には怖さは半減しました。
②意外とかわいいチャッキー
映画の後半になると、あれだけコソコソ動いていたチャッキーが堂々と動き出します。持ち主であるアンディに乗り移ろうと、アンディが保護されている施設に向かうのですが、その道中をアンディに目撃される始末。怖さは半減して、むしろシュールでかわいい感じさえ出てきます。
アンディが保護される建物に侵入するチャッキー。アンディに目撃される始末。
終盤のもみ合いシーン。どうしてもシュールに見えてしまう。。。
チャッキーは子供のように小さい体ですが、中身は殺人鬼のおっさんなので、ホームアローンの主人公のような頭脳戦キャラではなく、割と肉弾戦キャラです。終盤は暴力描写のオンパレードなのですが、人間対人形なので、どうしても少し滑稽に見えてしまうところがありました。続編は見たことがありませんが、やはり少しコメディ路線になってしまうのですかね。
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